脱毛の解約で揉める3大原因と対処法|返金されない時の完全マニュアル

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「契約した脱毛が思っていたのと違うから解約したい。でも、解約を申し出たら担当者の態度が急変した」
「中途解約は可能と言われていたのに、いざ申し出たら『返金は0円』と言われた」
「契約金額が高額で、毎月の支払いが苦しいのに辞めさせてもらえない」

脱毛の契約をめぐるトラブルは、実は毎年数千件単位で消費生活センターに寄せられている、ありふれた問題です。

放置すると、本来取り戻せるはずの数十万円が戻ってこなかったり、逆に法的根拠のない違約金まで支払わされる事態に発展しかねません。

一方で、正しい手順を踏めばほとんどのケースは解決可能です。

問題は「何をどの順番で行うか」を知っているかどうか、それだけです。

 

この記事では、

・脱毛の解約・返金でなぜ揉めるのか
・揉めた時にどう動けばいいのか
・揉めないためにはどう契約すればいいのか

を公的機関の公開情報と特定商取引法・消費者契約法の根拠に沿って解説します。

私自身も過去に2社で脱毛契約を経験し、1社では中途解約を経験しているため、実際の交渉感覚も交えてお伝えします。

 

 

  1. 脱毛の解約・返金トラブルは年間どれくらい起きているのか
    1. 公的機関に寄せられる主な相談カテゴリ
    2. 揉める背景にある3つの構造的原因
  2. 脱毛の解約・返金で揉める3大パターン
    1. 3大パターンの全体像
    2. パターン①:解約させてもらえない
    3. パターン②:返金額が想定より少ない/0円
    4. パターン③:クリニック・サロンが倒産
  3. 揉めた時の対処フロー:5ステップで動く
    1. 5ステップの全体像
    2. STEP1:契約書とカウンセリング時の記録を確認する
    3. STEP2:店舗・本部に書面で正式に申し出る
    4. STEP3:消費者ホットライン188に相談する
    5. STEP4:内容証明郵便を送付する
    6. STEP5:弁護士相談・少額訴訟・あっせん
  4. 揉めないための事前防衛策:契約前にやるべきこと
    1. 契約前チェックリスト
    2. 契約金額は「都度払い換算」で必ず計算する
    3. 「いつでも解約できます」は録音必須
    4. クレジット契約は「個別信用購入あっせん」を選ぶ
    5. 「契約しないと帰れない」雰囲気には絶対に屈しない
  5. 揉めにくい医療脱毛クリニックの見分け方
    1. 主要医療脱毛クリニックの解約条件比較
    2. 「揉めにくいクリニック」を見分ける5つの指標
  6. 律の根拠:特定商取引法と消費者契約法を理解する
    1. 脱毛契約に関わる2つの主要法令
    2. 特定商取引法(特商法)のポイント
    3. 消費者契約法のポイント
    4. 法律を使うタイミング
  7. よくある質問(Q&A)
    1. Q1. クーリングオフ期間が過ぎたら、もう絶対に解約できないのでしょうか?
    2. Q2. クリニックが「契約書に解約不可と書いてある」と言ってきたのですが、本当に解約できないのですか?
    3. Q3. 担当者が「解約手数料として契約金額の50%が必要」と言ってきました。これは妥当ですか?
    4. Q4. 通っていた脱毛サロンが倒産しました。前払いした30万円は戻ってきますか?
    5. Q5. 内容証明郵便って自分で書けますか?弁護士に頼むべきですか?
    6. Q6. カウンセリング時の録音は違法ではないですか?
    7. Q7. 弁護士費用が払えない場合はどうすればいいですか?
  8. まとめ

脱毛の解約・返金トラブルは年間どれくらい起きているのか

まずは「自分だけが揉めているのではない」という事実を確認しておきましょう。

脱毛の契約トラブルは、実は消費者問題のなかでもトップクラスに多い相談カテゴリです。

国民生活センターと全国の消費生活センターをつなぐ相談データベース「PIO-NET(パイオネット)」には、エステティックサービス(脱毛を含む)に関する相談が長年にわたり多数寄せられています。

特に2010年代後半以降、大手脱毛サロンの相次ぐ倒産や、医療脱毛への移行に伴うトラブルが急増しました。

 

 

公的機関に寄せられる主な相談カテゴリ

国民生活センターが公表している脱毛関連の相談類型を整理すると、おおむね以下の4つに集約されます。

相談カテゴリ 典型的な内容
中途解約・返金 「途中解約したが返金額が想定より少ない」「解約手数料が高すぎる」
契約・勧誘トラブル 「無料カウンセリングのつもりが高額契約させられた」「断れない雰囲気だった」
効果・施術の不満 「効果が感じられない」「肌トラブルが起きた」
倒産・閉店 「通っていたサロンが突然倒産して通えなくなった」

このうち本記事のテーマである「解約・返金」「倒産」が、いわゆる「もめる」相談の中心を占めます。

 

 

揉める背景にある3つの構造的原因

なぜ脱毛だけがこれほど揉めるのか。

背景には次の3つがあります。

①金額の話

契約金額が数十万円規模と大きく、しかも長期間(半年〜2年以上)にわたって役務を消費する形態であること。

途中で状況が変わる確率が高いのに、解約時の精算が複雑になりやすい構造です。

 

②契約内容の話

契約時のセールストークと契約書面の内容にギャップが生じやすいこと。

「いつでも解約できますよ」と口頭で言われた条件が、契約書では細かく制限されているケースは少なくありません。

 

③倒産の話

脱毛業界の競争激化と倒産リスク。

前払いした金額が戻らないリスクは、契約時点では誰も想定していません。

 

 

 

脱毛の解約・返金で揉める3大パターン

トラブル相談を細かく見ていくと、「揉める」ケースの大半は次の3つのパターンに当てはまります。

自分のケースがどれに近いかを把握することが、対処法を選ぶ第一歩です。

 

3大パターンの全体像

パターン 主な原因 よく使われる相手側の言い分 法律上の論点
①解約させてもらえない 担当者が解約手続きを拒否・引き延ばす 「規約上、解約できない」「責任者が不在」 特商法上の中途解約権
②返金額が想定より少ない/0円 解約手数料・違約金の算定が不透明 「すでに消化した分は全額」「事務手数料で相殺」 特商法の解約料上限
③クリニック・サロンが倒産 経営破綻による役務停止 (連絡が取れない) 民法上の債権・破産配当

 

 

パターン①:解約させてもらえない

もっとも頻度が高いのが、解約の意思を伝えても店舗側が手続きを進めてくれないケースです。

「責任者が不在なので後日」
「店舗では受け付けられないので本部へ」
「次回来店時に書面で」

など、引き延ばしの口実は多岐にわたります。

これは法律違反の可能性が高い対応です。

特定商取引法に定められたエステティックサービス(医療行為としての脱毛を除く一定要件のサロン脱毛)では、契約期間と契約金額の要件を満たす場合、消費者はいつでも中途解約が可能と定められています。

店舗側が「解約させない」と主張すること自体、原則として通用しません。

 

ただし、医療脱毛(クリニックでの脱毛)は特商法の特定継続的役務提供の対象外になるケースもあるため、契約形態の確認が必要です。

多くのクリニックは独自の解約規定を設けており、この規定に沿った手続きが求められます。

 

 

パターン②:返金額が想定より少ない/0円

二番目に多いのが、解約自体は受け付けてもらえたものの、返金額が「ほぼ0円」あるいは想定をはるかに下回るケースです。

たとえば「30万円の契約で5回しか通っていないのに、返金額が3万円だった」というような相談は珍しくありません。

原因としては、

・消化済み回数の単価が「割引前単価」で計算されている
・解約手数料が法定上限を超えて設定されている
・化粧品・ジェルなど関連商品代が控除されている

といったパターンが見られます。

特定商取引法では、エステティック契約の中途解約時に事業者が請求できる損害賠償の上限が定められています。

残りの役務分については、契約残額から「2万円または契約残額の10%のいずれか低い額」を超える違約金は請求できません(特商法施行令により規定)。

この上限を超える解約手数料を請求された場合は、消費生活センターに相談する根拠になります。

 

 

パターン③:クリニック・サロンが倒産

近年とくに目立つのが、通っていた店舗そのものが倒産・閉店してしまうケースです。

2010年代後半から2020年代にかけて、大手脱毛サロンの倒産が複数件発生し、前払い金が戻らない被害者が大量に発生しました。

倒産の場合、消費者は法律上「一般債権者」の立場になり、破産管財人による配当を待つことになります。

配当率は数%〜0%にとどまることが多く、現実的にはほとんど戻ってこないのが実情です。

クレジットカードの分割払いや信販会社のクレジット契約で支払っていた場合は、「割賦販売法に基づく抗弁の接続」を主張することで、未提供役務分の支払いを停止できる可能性があります。

これは倒産トラブルにおける数少ない救済策のひとつなので、後述する対処フローで詳しく解説します。

 

倒産ル可能性が低いクリニックについてはこちらの記事で解説しています。

高校生でも脱毛できる?【倒産しない安心クリニック3選】と学割・親同意のリアル
「高校生のうちに脱毛したいけど、親に反対されないかな…」「ミュゼが破産したってニュース見たけど、今から契約して大丈夫?」「学割って実際どれくらい安くなるの?」こうした不安、すごくよく分かります。私自身、高校3年の冬から脱毛を始めて、現在大学...

 

 

 

揉めた時の対処フロー:5ステップで動く

実際にトラブルが起きた/起きそうな場合、感情的にならずに次の5ステップで動くと、解決確率が大きく上がります。

順番が重要なので、飛ばさずに進めてください。

 

5ステップの全体像

STEP やること 目的 所要期間
1 契約書・記録の確認 自分の権利と相手の主張根拠を把握 1日
2 店舗・本部に書面で正式に申し出 交渉の証拠を残す 1〜2週間
3 消費者ホットライン188に相談 公的機関の助言を得る 即日〜数日
4 内容証明郵便を送付 法的手続きの前段階で圧力をかける 1〜2週間
5 弁護士相談・少額訴訟・あっせん 法的解決 1〜数ヶ月

 

 

STEP1:契約書とカウンセリング時の記録を確認する

まず最初にやるべきは、感情的に電話することではなく、自分の手元にある契約関連書類をすべて集めることです。

具体的には、

・契約書原本
・クーリングオフ妨害に関する書面
・カウンセリング時にもらったパンフレット
・領収書
・クレジット契約書
・施術回数の記録
・LINE等のやり取り
・カウンセリング時の録音

などです。

確認すべきポイントは、

・契約日(クーリングオフ可能期間の起算日)
・契約金額と支払方法
・契約コース内容(回数・期間)
・解約時の規定、特定商取引法に基づく書面交付の有無

です。

これらが揃わないと、相手と対等に交渉できません。

 

 

STEP2:店舗・本部に書面で正式に申し出る

電話だけでのやり取りは「言った/言わない」の水掛け論になります。

必ず書面(メールでも可)で意思表示を行い、コピーを保管してください。

書面に記載すべき項目は

・契約者氏名・契約日・契約コース
・解約の意思表示
・返金請求の意思表示
・回答期限(2週間程度)
・回答方法の指定

です。

書面で「いつまでに回答せよ」と区切ることで、相手の引き延ばしを防げます。

 

 

STEP3:消費者ホットライン188に相談する

店舗側からの回答が不誠実だったり、そもそも回答がない場合は、迷わず消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話してください。

最寄りの消費生活センターに繋がり、専門の相談員から助言を受けられます。

相談は無料で、電話料金のみ自己負担です。

相談員は脱毛トラブルを年間数百件単位で扱っているため、業界の常套手段や法的論点を熟知しています。

場合によっては、消費生活センターが事業者と直接「あっせん」を行ってくれるケースもあります。

 

 

STEP4:内容証明郵便を送付する

消費生活センターのアドバイスを受けても解決しない場合、次の段階は内容証明郵便です。

これは「いつ・誰が・誰に・どのような内容の書面を送ったか」を郵便局が証明してくれる特殊な郵便で、後の訴訟で強力な証拠になります。

内容証明郵便を受け取ると、事業者側は「次は訴訟に来る可能性がある」と認識するため、それまで対応しなかった案件でも一気に交渉のテーブルに着くことがあります。

文書のひな形は消費生活センターや法テラスでも入手できます。

書面に記載する基本要素は、

・契約解除の意思表示
・返金請求金額と算定根拠
・回答期限と支払方法
・応じない場合は法的措置を講じる旨

です。

STEP5:弁護士相談・少額訴訟・あっせん

それでも解決しない、あるいは金額が大きい場合は、最終手段として法的解決に進みます。

選択肢は大きく3つあります。

弁護士相談の入口としては、まず法テラス(日本司法支援センター)の無料相談を活用するのが現実的です。収入要件を満たせば、弁護士費用の立替制度も利用できます。

 

返金請求金額が60万円以下の場合は、簡易裁判所の「少額訴訟」が使えます。

原則1回の審理で判決が出るため、弁護士を立てずに本人訴訟も可能です。

 

国民生活センターの「ADR(裁判外紛争解決手続)」も選択肢のひとつ。

中立的な仲介委員が事業者と消費者の間に入って和解を試みる制度で、訴訟より低コスト・短期間で済むことが多いです。

なお、クレジット契約で支払っている場合は、信販会社に「抗弁の接続」を主張することで、残金の支払い停止ができる可能性があります。

これは事業者の倒産時にも使える重要な手段です。

 

 

 

揉めないための事前防衛策:契約前にやるべきこと

ここからは「すでに揉めている人」ではなく「これから契約する人」「今後揉めたくない人」向けの防衛策です。

事後の対処より、事前の防衛のほうが100倍ラクであることは強調しておきます。

 

契約前チェックリスト

チェック項目 確認すべき内容
契約形態 医療脱毛か美容脱毛か(特商法対象かどうかを左右)
契約期間と回数 1年以上・5万円超なら特商法の対象になりやすい
中途解約条項 解約手数料・返金計算式が書面に明記されているか
クーリングオフ告知 法定の書面が交付されているか
関連商品の有無 化粧品・ジェルなどの抱き合わせ販売がないか
クレジット契約 信販会社・分割回数・実質年率
倒産対策 都度払いや少回数コースの選択肢があるか
カウンセリング録音 「言った言わない」防止のため録音の許可を取る

 

 

契約金額は「都度払い換算」で必ず計算する

セット契約の単価は、一見お得に見えても、施術1回あたりの単価を必ず計算してください。

たとえば30万円で15回コースなら、1回あたり2万円。

同じ部位の都度払い相場と比較して、どれくらいお得なのかを冷静に評価します。

 

「セットだから安い」というセールストークに流されず、最低でも回数の半分を消化する見込みがあるかを自問してください。

引っ越し・転職・妊娠・健康状態の変化など、半年〜1年以内のライフイベントを必ずシミュレーションしておきます。

 

 

「いつでも解約できます」は録音必須

口頭で「いつでも解約できますから安心してください」「解約手数料はかからないので大丈夫です」といった説明を受けた場合、その瞬間にスマートフォンで録音してください。

事前に「念のため録音させていただいてもいいですか」と一言断れば、トラブル時の決定的証拠になります。

特商法では、契約締結時に重要事項について不実告知(嘘を言うこと)があった場合、契約取消が認められるケースがあります。録音はその立証に直結します。

 

 

クレジット契約は「個別信用購入あっせん」を選ぶ

支払方法を一括ではなく分割にする場合、サロン・クリニックが提携している信販会社を経由する「個別信用購入あっせん契約」を結ぶのが安全です。

この形態だと、後日トラブルが発生した場合に「割賦販売法上の抗弁の接続」が主張でき、未提供役務分の支払いを信販会社に対して停止できます。

クレジットカードの分割払いと混同されがちですが、法的効果が異なる点に注意してください。

 

 

「契約しないと帰れない」雰囲気には絶対に屈しない

無料カウンセリングを受けたその日に契約させようとする店舗は要注意です。

「今日契約しないとこの価格は使えない」「キャンペーンは本日まで」と言われても、絶対にその場では契約しないと決めておいてください。

本当に良いクリニック・サロンは、消費者が冷静に検討する時間を歓迎します。

即決を迫る時点で、解約時にも揉める可能性が高い相手だと考えるべきです。

 

 

 

揉めにくい医療脱毛クリニックの見分け方

ここでは、解約・返金条件が比較的明確で、トラブルの相談件数が少ないとされる医療脱毛クリニックを比較形式で整理します。

あくまで公開情報をもとにした整理であり、個別の契約内容や時期によって条件は変わるため、必ず最新の公式サイト・カウンセリングで確認してください。

 

主要医療脱毛クリニックの解約条件比較

クリニック 中途解約 返金対象 解約手数料の目安 倒産リスク対応
メンズリゼ 可能 未消化分 残額の20%または5万円のいずれか低い額 上場関連企業
湘南美容クリニック 可能 未消化分 規定により算定 大手医療法人
ゴリラクリニック 可能 未消化分 残額の20%程度 大手医療法人
フレイアクリニック 可能 未消化分 規定により算定 法人運営
レジーナクリニック 可能 未消化分 規定により算定 法人運営
リゼクリニック 可能 未消化分 規定により算定 メンズリゼと同系列

※上記は2026年5月時点の公開情報をもとにした概要です。

最新の正確な条件は各クリニック公式サイト・契約書面で必ずご確認ください。

 

「揉めにくいクリニック」を見分ける5つの指標

クリニックを選ぶ際の指標としては、

・解約手数料の上限が公式サイトに明記されているか
・運営法人が長期にわたって安定経営しているか
・契約書面が事前にWeb上で確認できるか
・口コミに「解約時にスムーズだった」というレビューが複数あるか
・無料カウンセリング当日の即決を迫らないか

の5点をチェックしてください。

このうち1つでも怪しい点があるクリニックは、契約金額が安くても候補から外す勇気が必要です。

 

脱毛クリニックの選び方についてはこちらの記事で解説しています。

【2026年最新】メンズ脱毛おすすめランキング10選│失敗しない選び方を徹底解説
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律の根拠:特定商取引法と消費者契約法を理解する

「揉める」局面で最終的に味方になってくれるのは法律です。

難しく感じるかもしれませんが、要点だけ押さえておけば交渉力が大きく変わります。

 

脱毛契約に関わる2つの主要法令

法律 主な対象 消費者の主な権利
特定商取引法 期間1ヶ月超・金額5万円超のエステ脱毛など クーリングオフ/中途解約権/解約料の上限
消費者契約法 すべての消費者契約 不実告知・断定的判断による契約取消/不当条項の無効

 

 

特定商取引法(特商法)のポイント

特商法では、エステティックサービスの一部が「特定継続的役務提供」として規制対象になります。

具体的には、契約期間が1ヶ月を超え、契約金額が5万円を超えるエステ脱毛が該当します。

この規制対象になると、消費者は次の権利を持ちます。

 

①クーリングオフ権

法定書面の受領日から8日以内であれば、無条件で契約を解除でき、全額返金が原則です。

 

②中途解約権

クーリングオフ期間を過ぎても、消費者はいつでも将来に向かって解約できます。

 

③解約料の上限規制

事業者が請求できる損害賠償額には上限があり、これを超える違約金条項は無効になります。

 

注意点として、医師が行う医療行為としての脱毛(医療脱毛)は、エステティックサービスではなく医療契約として扱われ、特商法の特定継続的役務提供には該当しないと解釈されるケースがあります。

ただし、クリニック独自の解約規定が著しく不当であれば、後述の消費者契約法による争いの余地は残ります。

 

 

消費者契約法のポイント

消費者契約法は、すべての消費者契約に適用される法律です。

脱毛トラブルでよく使われるのは次の2点です。

 

①不実告知による取消権

事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、それを消費者が事実と誤認して契約した場合、消費者は契約を取り消せます。

「いつでも無料で解約できる」と口頭で説明されたのに契約書では高額な解約料が定められていた、というケースはこれに該当する可能性があります。

 

②不当条項の無効

消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効とされます。

たとえば「いかなる理由があっても返金しない」「解約手数料として契約金額の50%を支払う」といった条項は、消費者契約法10条に照らして無効になる可能性があります。

 

 

法律を使うタイミング

これらの法律を持ち出すタイミングは、STEP3(消費者ホットライン188への相談)以降が現実的です。

素人がいきなり契約書面に「特商法第49条により〜」と書いても、相手が真剣に取り合わないことがあります。

消費生活センターの相談員や弁護士のアドバイスを通して、適切な条文を引用しながら交渉するのが効果的です。

 

 

 

よくある質問(Q&A)

Q1. クーリングオフ期間が過ぎたら、もう絶対に解約できないのでしょうか?

いいえ、クーリングオフ期間(法定書面受領日から8日間)を過ぎても、特商法の特定継続的役務に該当する契約であれば「中途解約」がいつでも可能です。

ただし、未消化分から所定の解約手数料が控除されるため、返金額はクーリングオフより少なくなります。

医療脱毛の場合は各クリニックの解約規定に沿った手続きが必要です。

 

 

Q2. クリニックが「契約書に解約不可と書いてある」と言ってきたのですが、本当に解約できないのですか?

特商法の特定継続的役務に該当する契約の場合、「解約不可」とする契約条項は法律上無効です。

また、医療脱毛のように特商法の対象外と解釈される場合でも、消費者契約法10条により著しく消費者に不利な条項は無効になる可能性があります。

まずは消費者ホットライン188に相談し、契約書の該当条項について助言を受けてください。

 

 

Q3. 担当者が「解約手数料として契約金額の50%が必要」と言ってきました。これは妥当ですか?

特商法の特定継続的役務に該当する契約であれば、解約手数料の上限は「2万円または契約残額の10%のいずれか低い額」と定められています(特商法施行令)。

50%という算定は明らかに法定上限を超えており、応じる必要はありません。

相手にこの根拠を伝えても引き下がらない場合は、消費生活センターへ相談してください。

 

 

Q4. 通っていた脱毛サロンが倒産しました。前払いした30万円は戻ってきますか?

倒産の場合、原則として一般債権者として破産配当を受ける形になり、配当率は数%〜0%にとどまることが多いです。

ただし、信販会社経由のクレジット契約で支払っていた場合は、割賦販売法に基づく「抗弁の接続」を主張することで、未消化分の残金支払いを停止できる可能性があります。

クレジット会社に速やかに連絡し、サロン倒産の事実と未提供役務分について書面で通知してください。

 

 

Q5. 内容証明郵便って自分で書けますか?弁護士に頼むべきですか?

内容証明郵便は法的に決まった書式さえ守れば、本人で作成・郵送可能です。

郵便局の窓口や日本郵便のe内容証明(電子内容証明)サービスから手続きできます。

ただし、請求金額が大きい場合や法的論点が複雑な場合は、弁護士に依頼するか、最低でも法テラスの無料相談で内容を確認してもらうことを推奨します。

 

 

Q6. カウンセリング時の録音は違法ではないですか?

自分が当事者となる会話の録音は、相手の同意がなくても違法ではないとされています(最高裁判例あり)。

ただし、トラブル防止と人間関係の観点から、事前に「念のため録音させていただきます」と伝えることが望ましいです。

断られた場合、その時点で「やましいことがある店舗」という判断材料にもなります。

 

 

Q7. 弁護士費用が払えない場合はどうすればいいですか?

法テラス(日本司法支援センター)の「民事法律扶助制度」を利用すれば、収入要件を満たす方は弁護士費用の立替制度を利用できます。

立替金は分割で返済可能で、事案によっては免除されるケースもあります。

まずは法テラスに電話または来所相談してください。

 

 

 

まとめ

脱毛の解約・返金で揉めるのは、決してあなただけの問題ではありません。

毎年数千件単位で同様の相談が消費生活センターに寄せられている、構造的なトラブルです。

「自分が悪いのでは」と思い込まず、まずは公的に支援される立場であることを認識してください。

 

揉めた時の対処は、感情的にならず順番通りに動くことが鍵です。

まず契約書と記録を集め、書面で正式に申し出て、消費者ホットライン188に相談し、必要なら内容証明郵便、最終的には弁護士・少額訴訟という順番です。

途中で諦めてしまうと、本来取り戻せた金額が戻ってこなくなります。

 

これから契約する人は、

・「いつでも解約できる」という口頭説明を録音すること
・契約書の解約条項を必ず事前に確認すること
・即決を迫る店舗とは契約しないこと

この3つを徹底してください。

事前の数時間の慎重さが、後の数十万円のトラブルを防ぎます。

 

最後に、もし今まさに揉めている最中であれば、迷わず消費者ホットライン188(局番なし)に電話してください。

無料で、しかも脱毛トラブルを熟知した専門家が話を聞いてくれます。

一人で抱え込む必要はまったくありません。

 

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